バタバタしている内に10月も終わりそうです。
なかなか纏まった時間が取れず、Hex Beamが捗りません。
本当は忘れてしまえば(考えなければ)良いのですが、つい余計なことを考えてしまいます。
・ひとつ目は、24MHzのエレメントです。
やはり短すぎるようで、高い方に同調します。
・二つ目は、10MHzの追加です。
スプレッダーを少し長くして、14MHzの外側にダイポールを作るのが定石だと思います。
しかし、そこは下手の横好き。
かなり空いている14MHzと18MHzの間に、挟めないだろうか?
と思いついて仕舞いました。
MMANAでシミュレーションしてみると、18MHzは若干落ちるのですが、挟んだ10MHzが反射の役に立つのか、逆に14MHzは少し良くなるようです。
いずれにしても、14、18、24MHzのエレメントは長さを増減する必要があります。
他のバンドも、ルーフタワーの地上高(屋上高?)が低いので、全体にバンドの下端に偏る恐れがあります。
机上の空論を振り回している内に、だんだん気が大きくなって、
いっそのこと全部作り直してみようか?
と、すこし実験を始めました。
線材は何にするか?
シミュレーションは、直径2mmのアルミ線でやりました。
が、心配なのは「酸化」と「伸び」です。
昔、クワッドのエレメントに使ってガッカリしたことがあります。
そういえば、エナメル線を使ったこともありましたが、思いのほか耐候性が悪く、1年ほどで塗装がポロポロ剥がれて、緑青を吹いてしまいました。
やはり、Hex BeamやSpider Beamが使っているような、被覆線が良さそうです。
フジクラKQE線の検討
以前、長中波に使えないかと思ってフジクラの架橋ポリエチレン電線を入手していたのを思い出しました。
某オークションで見かけて、いつか河原にでもでかけて2200mをやってみようと思ったのです。
良く、7色各5Mくらいの詰め合わせが配線用に売られている線です。
特性はこちらにありました。https://www.kanetuu.co.jp/html/product_pdfs/2.KQE_202004.pdf
導体直径 1.1mm + 絶縁体厚さ 0.3mm×2 = 外径 1.7mm
導体がちょっと細いので、カバー範囲が狭いかも知れません。
14MHzで計算してみると、SWRだけでなくゲインやパターンも、14.050~14.200辺りはOKのようです。
短縮係数は?
MMANAでは、シミュレーションは裸線しかできません。(と思います)
その値で作る(線を切り出す)と、被覆の影響で共振周波数が下がってしまうので、
その分を見越して、少し短く切る必要があります。
ダイポールだったら、裸線の長さで切り出し、現物合わせで切り詰めてしまえば良いのですが、キュビカルクワッドのような立体型のアンテナでは、各エレメントが相互に関連するので、頭と電線がコンガラガッて悲惨なことになります。
はっきり言って、試行錯誤ではかなり難しいです。体験談です。hi
NEC2 for MMANAにトライ
何か良い方法が無いかと思って、JE3HHT 森OMのMMANAのページをみると、「Dmitry UA3AVRが作成したNEC2 for MMANAへのリンク」に気が付きました。
そういえば被覆電線のシミュレーションができると聞いたような気がします。
早速試してみました。
こちらからダウンロードできます。
NEC2 for MMANAでのシミュレーション練習
この分野(と云うよりは電気全般)、アマチュア無線しか知らない門前小僧なのでヘルプやメニューを頼りに突っついてみました。
最初にMMANAを使って、1.1mmΦの銅裸線を10M切り出して、中央から給電した場合をシミュレーションします。
これを台木にしてNEC2を接ぎ木する感じです。
MMANA fo=14.434MHz
このファイルを保存した後、NEC2 for MMANAで読み込みます。
さらに、被覆の厚さと誘電率を設定します。
架橋ポリエチレン誘電率は、2.2~2.4との事なので、2.3としました。
プラスチック材料の性能一覧表
https://fa-ubon.jp/tech/005_performace_pm.html
被覆を無視してオリジナルMMANAのアルゴリズムで計算すると
SWR最良点は14.45MHz
ベースのMMANAよりも、20~30kHz高い周波数になりました。
原因は地面条件の違いかもしれません。(MMANA:リアルグランド、NEC2:Average...)
さらに、被覆を加味して計算してみると・・・・
SWR最良点は、14.24に下がりました
何処かにfoが表示されていないか探しましたが、見つけられませんでした。
14.45と14.25の波長から逆算すると、約15Cm、割合にして1.47%延びた計算になります。
この1.47を入れて、短かくした場合の特性を計算してみました。
「NEC2 for MMANA本人の計算結果を戻したのだから当然」なのですが、考え方としては間違ってないようです。
こんな感じで、①MMANAで裸線の最適長を求る ②被覆に応じた短縮係数を探す ③最適長に短縮係数を掛けてカットする。と上手く行きそうです。
問題は、本当にそうなるか?です。
試してみました
KQE 0.75SQを10M切り出してダイポールを作りました。
端っこの処理をやり直せるように5Cmほど余裕を見たのですが、ほとんど無駄が出なくて、片側5.042Mとなりました。
ここで、ぴったり5Mにするべきでした。反省
さて、このダイポールの特性、二つのソフトはどう予測するでしょうか?
台になるMMANAは
14.286MHzを予測
これに被覆を加味したNEC2 for MMANAは
14.125MHzを予測
果たして結果は・・・・
近くの土手へ出かけて測ると。
14.100MHzでした
NEC2 for MMANAとの25kHz差は、大地の特性や誘電率が原因かもしれません。
あとは、長さを測った際 (たるみ)の誤差ですね。
エレメントを毛羽立てると・・・
ところで、この被覆を剥いたらMMANAの予測と一致するのでしょうか?
「日が暮れる前に早くやれ!」もう一人の自分がけしかけます。hi
被覆に傷をつけて引っ張ってみました。が、てんで歯が立ちません。
意地になって15分ほど格闘し、ようやく片側だけカッターで削ぎ取ってみました。
が、何か所か手元が狂って所々撚線まで歯が入り、かなり毛羽立って仕舞いました。
駄目だこりゃ!
が、ちょっとだけ怖いもの見たさもあり、測ってみました。
SWR最良点は、約13.5MHzの1.2でした。
被覆が無くなる分高くなるはずが、700kHzも下がって仕舞いました。
何でかな?
小さいハットが一杯くっ着いたようなイメージでしょうか?
それにしても、これだけ尖んがりがあると、静電気や前線通過時のコロナ放電が心配ですね。
冬になったら、これで28MHzのダイポールでも作ってみましょうかね。hi hi
日没撤収