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2025年8月20日水曜日

アクティブアンテナ比較_BPC 68.5kHz

 今朝、5時前に目が覚めたので68.5kHzのBPCを聞き比べてみました。

 この時報局は中国の河南省商丘市にあり、Google Map上の当地との距離は約2150kMです。

WIKIPEDIA BPC (time signal)

https://en.wikipedia.org/wiki/BPC_(time_signal)

信号レベルのグラフ

1分間隔で MW(2SK2394+2SC3357 NFB) → AD370 → HE011 → MW(2SK241x1) → MW(2SK2394+2SC3357 直結)切り換えました。

緑=信号ピーク、ピンク=ノイズレベル、水色=差異(ピークとノイズの差)

ウォーターフォール

信号も強くSNはほぼ同じでした。

聴感はアクティブダイポールのAD370良い感じです。

HE011はロッドアンテナをプローブとして使っているので、長さを可変できます。

延すと、アンテナか? Kiwiか? 原因の切り分けが出来ていないのですが、BC帯の混変調が酷いため、約30Cmほどに短くしています。


Kiwi SDRによる時刻デコードの動画

BPCのタイムコードは時刻に特化しているようで、ロックすると20秒間隔で時刻を取得できます。

弱い信号のデコード率もJJYより良いようです。

いろいろな情報を盛った感のあるJJYに比べて、実用本位という雰囲気です。

なお、05:00~09:00 JSTは停波しています。

2025年8月17日日曜日

アクティブアンテナ比較_VLF Alpha

 今朝、Kiwi SDRでバンドエッジを覗いたら、ロシアのAlphaが数波見えていました。

 単にタイミングが悪かったのか?それとも、メンテナンスだったのか? 久しぶりだったので、Kiwi SDRとWeb-888を総動員して、アンテナの聞き比べをしてみました。

 と云うのは、Kiwi SDRのほぼ下限で独特の信号を聞いてから、低い帯域用のアクティブアンテナを幾つか作ってみました。

 加えて、正月早々にAD370。7月末にR&S HE011と伝説化したアクティブアンテナが入手できたので、感触を確かめておきたかったのです。

動画

1分間隔で MW(2SK2394+2SC3357 NFB) → AD370 → HE011 → MW(2SK241x1) → MW(2SK2394+2SC3357 直結)切り換えました。

 本当は、同じ受信機でアンテナが切り換えられると良かったのですが、リモートなのでSDRごと切り換えました。

 後ろ2つはWeb-888です。


信号レベルのグラフ

緑=信号ピーク、ピンク=ノイズレベル、水色=差異(ピークとノイズの差)


ウォーターフォール

 性能の目安にしている差異≒SNは、

MW(2SK2394+2SC3357 NFB) > MW(2SK241x1) > MW(2SK2394+2SC3357 直結) > AD370 > HE011

 となりました。

 AD370とHE011は、そもそも本来の性能を維持しているのか分からないこと。 また、AD370は200kHz~30MHz、HE011は50kHz~30MHzが動作範囲となっており、どちらも下限周波数を下回っているので、想定内と言えます。

 ただ、HE011の電源はオリジナルですが、スイッチング方式のせいか約20kHzから下はかなりノイズがあります。

HE011のスイッチングノイズ

 ローバンドに関しては、2SK2394+2SC3357 NFBが有望なようで、LTSPICEのシミュレーションとかなり一致しています。

 NFB掛け方(戻し方)で、もう少し改善できそうな気がするので、もう少し悩んでみます。


2025年7月16日水曜日

LTSpiceのトランス結合係数-2

 k=0.9993で実物を再現できそうなことは分かりました。が、仕組みが気になります。

 いろいろ検索してみたところ、伝説のSpiceさんの

【伝スパ】LTSpiceで学ぶ トランスの結合係数と相互インダクタンス その1 に行き着きました。

 過去約6年間に、630本以上の動画をアップされたそうです。凄いですね!

 実は、以前にも何度か視聴しかけたのですが、難しすぎて(寝くなって? )最後まで見れませんでした。 

 今回は疑問にどストライクの内容だったので、最後まで楽しめました。特に、動画の3:30~6:00あたり、「結合係数の意味」は参考になりました。

 ありがとうございました。

 どうやら、漏れた分は、どこにも結合していない「無関係なインダクタンス」として、トランスの外に弾き出されたと云うことのようです。

 k=1の理想的な状態を使って再現すると、こんな感じでしょうか。

 

 トランス外の漏れたインダクタンスと巻線間キャパシタンスをトランスから離して並べてみると

 周波数は合っています

 巻き数が異なる場合は1次側を基準として、 [結合係数k=(インダクタンス-漏れインダクタンス)/インダクタンス] と考えれば良いようです。

 この例では、(175-0.12)/175=0.999314 となります。

 まだ分からないところがあるのですが、眠れなくなると困るので、このあたりで割り切ることにします。hi

2025年7月15日火曜日

LTSpiceのトランス結合係数

 LTSpice、便利に使わせて貰っています。Analog Devicesさんには、感謝あるのみです。

 ただ、原理や理論を知らずに自己流で使っているため、はたと困ることも良くあります。

 最近の悩みの種が、トランスのk(結合係数)です。

 例えば、インターネットで検索してみると、マルツオンラインさんの「LTspiceにおける結合係数Kの活用方法について(SPICE入門講座)」がヒットします。

https://www.marutsu.co.jp/select/list/detail.php?id=247&srsltid=AfmBOopV5DVv_SwGIYQZDgOzWrNoBtd2Cf2BIAkUNDkvz-s9gQ81WRxf

 そこには『結合係数の値の最大値は「1」です。1で100%の伝達を示します。現実の回路において、100%の伝達はありえませんので、電源回路のトランスの場合、0.9999の値を推奨します。』とあります。

 確かに1があり得ないのは分かるのですが、私のつたない経験では、0.9999は盛り過ぎのような気がします。

 トーキンのM-521CTをバィファィラ・トランスとして多用していますが、kの設定によっては同じ回路でも、月とスッポンくらい違うことが有るのてす。

 明け方うつらうつらしていて、

・だいぶ前に作ったアイソレータは、100MHz辺りに共振点が有った

・コイルを対向させたトランスのシミュレーションには、共振点が無かった

・巻き線間の容量(キャパシタンス)を忘れたのでは?

 と思い出しました。

 忘れないうちにと思い、さっそくLTspiceを起動してみました。

〇単純なバイファイラトランス

あり得ないk=1

何処までも -0.034dB

マルツさん推奨のk=0.9999

肩は出てきたがディップは無し

〇線間容量の8pFを挿入

あり得ないk=1

共振やディップは無く、8pFは効いていない

マルツさん推奨のk=0.9999

約180MHzにディップ

悲観的なk=0.99

約30MHzにディップ

シミュレーションとは言え悲しい

 無効になったインダクタンスの作用か、kの値とディップ(副共振?)の周波数には強い相関があるようです。

 ここまで来て、実際の特性を測って、その周波数に(kを動かして)落とし込めば、現物のkが分かるのでは?と思いつきました。

 以前作ったガルバニック・トランス風のアイソレータを引っ張り出して、DG8SAQ VNAで測ってみました。(手抜きでキャリブレーションはパス)

なんちゃってガルバニックアイソレータ

ディップは約117MHz

kを動かしながらシミュレーションしてみると・・・

k=0.9993で約118MHzにディップ

 と云うわけで、このトランスに関しては、当分"k=0.9993"でやってみます。

―・・・―

 なお、このアイソレータの下限と上限はこんな感じです。

下限周波数

上限周波数

 私が関心を持っている、40kHz辺りから60MHz辺りまでは、問題なく使えそうです。

 また、M-521CTのデータと実測値はこんな感じです。

・M-521CTのデータシート

https://www.mouser.jp/datasheet/2/447/KEM_LF0073_M_500CT-3316882.pdf

・M-521CTの実測値

巻線片側のインダクタンス

175uH

巻線直列のインダクタンス

488uH

巻線間の容量

8.36pF

2025年6月3日火曜日

1N4007の順電圧

 明け方うつらうつらしていて、ふと思いました。

 1N4007の順電圧(Vf)、大きいのが秋月電子通商1N4007-Bの685mV、小さいのがSMDの659mVでした。

 これって受信機にとっては、どのくらいの大きさなのでしょうね?

 久しぶりにオームの法則を思い出して、電力に換算してみると・・・

 R=50Ω, E=0.685Vの場合、P=0.0093845W、ざっくり10mW (10dBm)と言った感じでしょうか。

 うっかりSGから放り込んでしまうこともあるレベルなので、大丈夫でしょう。

 でも、低すぎて歪みまくらないかな?

 ここまで来て、JA1VBN 花澤OMの有名なSメータに関する研究を思い出しました。

「S-unit Standard of the S-meter ? (SメータのSとはどんな規格か?)」

http://ja1vbn.la.coocan.jp/radio/etc/S-unit.html

 さっそくアクセスしてみると・・・

 表の一番上、Sユニット 9+60dBでも、受信機入力電圧 50mVとなっています。

 無理やり500mVの行を作ったら、9+80dBといった感じでしょうか? 受信機にとっては、とんでもない程の大信号なのですね。

 まかり間違って、送信機から保護器経由で送信したら、スプリアスだらけの電波になりそうです。が、受信時の混変調は取り越し苦労のようです。

と思うことにします。hi

--------------------

06/08 追記

電力の換算、間違えてました。

クリップが± 0.685Vなので、振幅は1.37Vですね。

R=50Ω, E=1.37V, P=0.0375W、SGなら16dBmのちょっと下あたりのレベルです。

まだ大丈夫かな?

でも、プリアンプの前に入れてしまったら、雷サージ対策にはなっても、SDRの保護にはならないかも知れないですね。

2025年6月2日月曜日

1N4007について

 このところSDR用保護回路で遊んでいます。

 クリッピング用のダイオードには、元記事に沿って1N4148を使っていました。 が、後ろに10~20pFのコンデンサを入れるなら整流用のダイオードでも良いのでは?と思いました。

 引き出しを引っ掻き回したら幾つか見つかりましたが、整理が悪いので品番がハッキリしません。

 1N4007は3種類あったので、テスターで当たってみました。

秋月電子通商の1N4007


リードが細めの1N4007



SMDの1N4007

同じ袋でも、結構ばらついていました。

・---・

 さて、Webで1N4007を検索してみると、定番品種だけにいろいろな情報がヒットします。

 面白いと思ったのは、QSK用のPINダイオードとしての利用例です。

 1N4007は、P層とN層の間に絶縁用のI層を挟む構造になっており、PINダイオードとして使えるのだそうです。

 昔ハムジャーナル(1988年、#56)に載っていた、JA1DI(SK) 山口OMの記事を思い出しました。

 当時はAMTORが流行っていましたが、送受切り替え(チェンジオーバー)時間がネックで、南米とQSOするには15m秒がギリギリ、地球の真裏とのQSOには10m秒以下が必要と言われていました。

 そのため、市販トランシーバやアンプのQSK改造記事、QSKシステムの製作記事が関心を集めており、ネットやBBSでも盛んに情報が交わされていました。

 しかし、テキストのみでイメージが送れない(翻訳ソフトは未だSF)時代だったので、なかなか追いつけませんでした。

 山口OMの、10D10を使えば500Wに対応できる・・・との記事には驚かされました。

 そんなことを思い出しながらポチポチやっていたので、すっかり寝不足です。hi


幾つか忘れないようにメモしておきます

PIN diode T/R switch

https://www.funkamateur.de/tl_files/downloads/hefte/2017/w6jl_improved_qsk_system_mar_2016.pdf


PIN diode T/R switch

https://wa5bdu.blogspot.com/2017/03/pin-diode-tr-switch.html


The 1N4007 as PIN diode

https://www.qsl.net/in3otd/electronics/PIN_diodes/1N4007.html

2025年5月31日土曜日

メス?オス?性別不明のSMAコネクタ

便利に使っている基板エッジ取付のSMAコネクタ。

どうしてもケーブルが差さらない物がありました。

不良品かと思って外して見ると・・・・

外見はメスなのに

ピンが有ります!?

不良品にしても程があるだろ!と思いましたが、念のため確かめてみると・・・

ひと袋が同じ形でした。(本当の不良品は中華あるある)

良く確かめないで、間違えて買ってしまったようです。orz


それにしても、どんな必要があってこんな情けない姿形にされてしまったのでしょうか?

Googleさんにお伺いをたてると、このページがヒットました。

Why Does RPSMA Exist?

https://wcsng.ucsd.edu/docs/technical/trivia/rpsma/

どうやら、RP-SMA (Reverse Polarity SMA)と呼ばれる種類のようです。

FCCの規制のひとつに、「自社のデバイスが自社が提供するアンテナのみで動作することを保証する」ことを求めるものがあり、それの対策だったようで、「RP-SMAコネクタはWiFiアンテナで使用される傾向がある」のだとか。

業界標準になってしまったら意味ないじゃん!と思うのですが、いろいろご苦労があるのですね。

引き出しの肥やしが増えてしまいました。hi

2025年5月21日水曜日

SDR用保護回路の手直し

手直しと言うか、追加製作分を変更してみました。

・ガス放電式アレスターの場所を間違えてました。

と言うか、アレスターよりもコンデンサの方が安いので、コンデンサが先でも良いかな?と思いましたが、せっかく作るのだから、ここは値段の話ではないですね。hi

・惰性で裏面の銅箔をべたアースにしていましたが、考えてみれば小さいループ(上の黄色点線)で閉じれるのに、わざわざ大きくする必要は無さそうです。

・高域のリターンロス改善用と思われるコンデンサ、OK1RRのトランスよりもだいぶ小さいので省略しましたが、多少なりとも改善するならと思い直して、10pFを入れてみました。


手直し版の特性です

10kHz~200kHz

10kHz~30MHz

10kHz~300MHz

・SNR改善効果
 8.006MHz JG2XAのプロットです。
保護回路を入れると、信号のピークは低くなりますが、それ以上にノイズフロアも下がるので、差し引きは少し(ざっくり3dBくらい)アップしました。
結果、直接波がクッキリ見えるようになりました。


2025年5月20日火曜日

KiwiSDRの入力保護

春先の雷雨で、先日のCNCはじめ幾つか不具合が発生しました。

深刻なのがRedPitayaでの1台です。

7と10MHzデュオバンドのダイポールにつないでいたのですが、どうやら、アンテナ端子から入ってRJ-45コネクタから抜けたようで、その後はLAN接続ができなくなってしまいました。

Hermes Lite 2も1台認識しなくなったのですが、ファームウェアを入れ直したところ、息を吹き返してくれました。

そんなこともあり、Kiwi SDR NZの入力保護回路(送料込みで4,200円)を購入してみました。

https://kiwisdr.nz/products/sdr-protection-circuit

50Ωのトランス2個で、TVSダイオード(2回路入り)をサンドイッチにしたようなシンプルな構造ですが、

100Wを直接印加しても、保護回路もKiwisdrも損傷しなかったそうです。

1kWを直接印加した場合は『保護回路が機能しなくなりKiwisdrが保護されることを期待しますが、その電力レベルでの保証はありません。』との事です。hi

さて、他にもSDRが何台かあります。

以前から、RTTY Skimmer用のキャリコン式の保護回路を使っており実績もあるのですが、電源が必要で取り回しが面倒です。ここは、簡単なKiwiSDR方式で行きたいと思います。

とは言っても、おいそれと追加購入はできないので、真似っこして作ってみました。

参考にしたのはこちらの記事です。

「Ochrana vstupních obvodů přijímače (受信機入力回路保護)」

https://www.okdxf.eu/index.php/technika/272-ochrana-vstupnich-obvodu-prijimace

こちらの図5方式で行きたいと思います。

オリジナルはARRY SOLUTIONSのようです。

この方式に関しては、逆並列ダイオードによるIMD悪化の心配が指摘されますが、解説によるとトランスと抵抗、特にR2のおかげで、丸みを帯びたソフトクリッピングになるので心配ないそうです。

図5では、5.1Ωの抵抗になっていますが、手持ちのムギ球を使ったランプ・ヒューズにしてみました。

(上)KiwiSDR NZ (下)自作

自作品はサージプロテクタ、コンデンサ、ムギ球、抵抗の損失が加わりますが、全体的な特性はよく似ていました。

10kHz~200kHz

10kHz~30MHz

10kHz~300MHz

周波数の下限は約40kHz、上限は60MHzあたりでしょうか。

実際に使ってみると・・・

信号強度の低下はほとんど感じられず、むしろSNRがアップしました。

確かに挿入損失はデメリットですが、2個のトランスによるコモンモード・ノイズ抑制効果でしょうか?

SNR向上は想定外のオマケでした。

たまたまのビギナーズラックかも知れませんが、自作品を入れるとSNRは33dBにアップしていました。

2025年4月23日水曜日

Minimal 90deg Hybrid Splitter / Combiner

スモールループ、アクティブダイポール、ミニホイップいろいろ作りましたが、それぞれ長短があって、落としどころが見つかりません。
組み合わせてみたらどうなるんだろう?と思ってWebを眺めていたら、こちらのサイトに行き着きました。

「R&S HE-015 Active Antenna」
 
掲載されている写真を見ると、コンバイナーは「Anzac JH-6-4」のようです。
 
主要部品のJH-6-4もDigiKeyに掲載されていますが、価格が法外です!
 
データシートはこちら
 
JH-6-4 または同等品が何でできているのか?どのように機能するのか?
とあるフォーラムで尋ねてみたところ、たくさんのご教示を頂きました。
まだ理解できていないところが多いのですが、主なところは

・2つの直交水平ダイポールで水平方向の無指向性を実現したい場合は、90°カプラと組み合わせる必要があ。これはターンスタイルダイポールと呼ばれる。

・JH-6-4 は非常に複雑で、高精度値のコンデンサとインダクタを使用しているため非常に高価であり、応答曲線を最適化するために多少の調整も必要になると思われる。

・1:1トランス1個とコンデンサ2個、インダクタ2個を使って、狭帯域90度ハイブリッド合成器を作ることもできる。

・広帯域90度合成器が必要な場合は、センタータップ付きのトランスとインピーダンス整合トランスが必要。例えば100:1の帯域幅が必要な場合は、インダクタとコンデンサをそれぞれ16個ずつ用意する必要がある。

JH-6-4が高価な理由は、ちゃんとあるようです。
すこし狭帯域な回路例もご教示いただいたのですが、なかなか難しそうです。
諦めきれず、「90度ハイブリッド」の市販品を検索してみたところ、Mini-Circuitsの製品が、それなりのお値段ですが、比較的簡単に入手できるようです。
いくつか検索してみましたが、SCPQ-10.5+が一番安かったです。
 
データシートを見て驚きました。
データシートの右下にある回路図は非常にシンプルです。
実際にバイファイラトランス1個と抵抗1個なのでしょうか?
それとも単なるイラストでしょうか?
 改めて尋ねてみたら
・トランス結合やその他の要素が何らかの形で「操作」されて必要な位相シフトが生成されない限り、これが実際の回路ではないと思います... との事
そりゃそうだよな。と思いつつ、少なくとも巻線間の容量はあるはずなので、
コイルが 10uH で、巻線間の静電容量が 4pF (2x2pF) と仮定して、シミュレーションしてみると、約 25MHz あたりでハイブリッド的な動作をするようです。

元の図はMini-Circuitsから拝借

目的は、二つの信号の合成ですが、シミュレーションのやり方が分かりません。orz
スプリッター兼コンバイナーとして動作するようなので、対向させて(分割+合成)入出力を比較すれば、当たらずも遠からずの特性を観察できそうです。
100pF のコンデンサを追加すると、3.5MHzを中心にスプリッター/コンバイナーとして動作しそうです。


簡単な回路なので、作ってみたいと思います。

この時点では、二つのコイルは共振回路ではなく、トランスだと思い込んでいたので、例のコモンモードチョークを投入するつもりでした。

ARCADの実体図と削った基板
手抜きで、装着してあった1mmφのエンドミルで削りました。SMDの抵抗とコンデンサがギリギリのセーフでした。hi

さて、ぼんやりLTSPICEの回路を眺めていて、どこかで見たことがあるような気がしてきました。
そうです。「トロイダルコア活用百科」でした!
366ページ(私が持っているのは旧い版)から、クワッドレチャ・ハイブリッド (quadrature hybrid)として、数ページに亘って解説されていました。
ぼかしてます
コモンモードチョークのままだったら、大失敗まっしぐらでした。ヤレヤレ

コイルは、各1.6uH。T37-2に 0.4mmのホルマル線をバイファイラ巻きで目一杯の約20ターン。
コンデンサは、切りの良いところで100pFとして、シミュレーション再開です。

正常な結線
青線が、出力側のSumポート。赤線が出力側のダミーロードポートです。
共振があるので本質的に狭帯域ですが、7MHzから14MHzは使えそうな気がします。と言うか、実際には違いが分からないかも?

反対の結線
出力側の基板を引っくり返したときのシミュレーションです。
このディップの深さで、実物のQ(仕上がり具合)が判断できそうな気がします。

現物はこんな感じです。

NanoVNAで測ってみました。
通常接続
反対の位相で対向
思ったよりブロードでした(目盛の設定ミス?)

反対接続
           同じ位相で対向
一番深いディップは-23dBでした。
予想よりも落ちたので、まあまあかな?

具体的な使い道は、これから考えます。hi