2024年8月27日火曜日

NanoVNA-F 外れかも?

アンテナの調整やちょっとした自作に重宝していたNanoVNA、

PORT1のコネクタ周りがヘタってきたようで、エラーが頻発するようになりました。

ずいぶん前に中華サイトから買ったので、元は取れたような気がします。

新しいのを買おうかなと思って中華サイトを覗いてみました。

アルミケースの4.3インチ版が、コネクタ周りも丈夫そうで安心できそうです。

しかし、扱いが多すぎてどれもこれも怪しく見えます。

秋月電子さんでも扱ってますが、かなりお高いようです。

https://akizukidenshi.com/catalog/g/g117632/

結局、某密林で購入しました。質感も良くて気に入りました。


で、例の1:9グアネラトランスですが、2MHz辺りの特性の乱れが気になりました。

ただ、参考にした"GABY'S HOBBY SITE (ON6GD)"さんの特性でも同じような乱れがあります。

ON6GDさんのトランス特性図

こういうものなのかな?と半信半疑で終わらせてしまいました。

アンテナにした状態でも、24日にアップした最後ののように2MHzあたりのSWRが飛びあがっていました。

さて週末、WW DIGI DXに参加しました。

試しに1.8MHzのSWRをしらべると、1.3辺りで落ち着いています。

7MHzだけ1.6でしたが、他のバンドは1.1から1.3くらいで、いかにもダミーロードアンテナと感心しました。hi

SunSDRもANAN-8000も同じ傾向でした。

検出方法の違いなのか、VNAでの測定よりも、一様に低く表示されるようです。

どうしても気になり、昨日、虎の子のDG8SAQ VNWAを引っ張り出して測ってみました。

こちらはパソコンが必要で手軽さには欠けますが、精度には定評があります。

結果は、こんな感じでした。

アンテナのSWR(100kHz~5MHz)
2MHzあたりの妙な飛び出しはありません。

アンテナのSWR(1~100MHz)
50MHzがSWR最良点は同じです。

どうやら、NanoVNA-Fは外れを引いてしまったようです。orz

2024年8月24日土曜日

意外に良く飛ぶ広帯域受信アンテナ

暑い日が続いてますが、昨日は少しだけ涼しい風を感じました。

HexBeamはペンキ塗りでくたびれてしまい、さっぱり捗りません。

そんなわけで、7月半ばのK8R SuperFox試験運用と、8月のN5J ジャービス島には、受信用のアンテナを改造してトライしてみました。

もともとは、KiwiSDR用の広帯域で無指向性のアンテナが欲しくて、ミニホイップやスモールループなどの、アクティブアンテナを試したのですが、バンド中が強信号とノイズだらけの当地ではゲインが大き過ぎるようで、思うような結果が得られませんでした。

そこで、有名なK9AYのような抵抗で終端したループアンテナを試してみました。

ただし、指向性(ヌル)を追求するK9AYとは真逆の、裸電球のような無指向性が狙いです。

MMANAでシミュレーションした見たところ、三角形の底辺の両角に抵抗と給電点(トランス)を配置するのが良さそうです。

外見(底辺10m、斜辺7m x2)

SWR 1~30MHz

パターン

3D 14MHz

2月頃、シャック脇の14MHz I.V.の釣り竿に、15m(5x3)のループを引っ掛けて、400Ωとメガネコア(2回:6回)のトランスでやってみました。
終端抵抗
1:9トランス
I.V.(14MHz)とエレメント(下)

SWR

受信アンテナとしては、可もなく不可もなく、シミュレーションどおりと言った感じでした。

悪い癖で、送信できるかな?と、7MHzのWSPRを100mWで出してみたところ、JA5YLTさんとJH1ARYさんからレポートが上がって来ました。

「ヘェ~電波は出てるんだ」と妙に納得できました。

そんな事があって、後日、たまたま目に留まった中華通販サイトの無誘導抵抗を3個(400,500,750Ω)ポチっていました。

中華通販サイトの無誘導抵抗
(注文2024/6/11、到着2024/6/26)

6月末、HexBeamがさっぱり捗らないので、これで送信用を作ってみようかと思い立ちました。

ローパワーなので、抵抗は20Wなら余裕でしょう。問題は、1対9のトランスです。

電圧バランでは如何にも効率が悪そうです。

いろいろ覗いてみると、Guanella current balunというのが良さそうです。

1:4 https://vk6ysf.com/balun_guanella_current_1-4.htm

1:9 https://www.xtgaby.com/post/guanella-1-9-current-balun

巻き線は、本当は150Ω平行線が良いようですが、手近にあったスピーカーコードを使いました。

1:9 グアネラトランス

終端抵抗は、現物合わせをしたところ、(3個の内では)750Ωがベストでした。

おまけの、TO220用放熱器を気休めに二つ付けました。

おまけの放熱器

抵抗の一本釣り?

SWR (終端750Ω)
全帯域で良い感じ

つい気が大きくなって、出力を50Wくらいまで上げたところ、あっけなくSWRが跳ね上がってしまいました。

ヤレヤレです。


すこし大きめの放熱器を付けた、500Ωに交換しました。

SWR(1~30MHz) 終端抵抗500Ω

やっぱりQRPでやれ!という事ですね。hi

ちょっと不思議なのは、壊れた750Ω、てっきり断線(オープンモード)だと思ったのですが、250Ωになっていました。

内部はどんな構成になっているのでしょうね。


この状態で、K8RとN5Jに参戦してみました。

結果はこんな感じです。



N5Jの3.5と1.8MHzは受信もできませんでした。

と言うか、QSOしているJAも見なかったので、タイミングの問題ですね。hi


8月3~4日の、Batavia FT8にも参加してみました。


トランシーバは、SunSDR2 Pro (max 15W)です。

コンテスト常連の皆さんは、耳(目?)が良いのですね!


実際の運用面では、

ノイズが多いのが悩みの種ですが、ハイバンドではほとんどストレスを感じませんでした。

耳とQRP(5~10W)の飛びが釣り合っている感じです。

ちょっと、困ったのは14MHzです。

10Wくらいで1ピリオド(15秒)送信すると、受信に切り換え後5秒くらい感度が低下します。

終端抵抗での消費が多いのか? 抵抗値(熱)の変化に敏感なのか?

抵抗容量が小さすぎるようです。

結局、5Wくらいでだましだましの運用になりました。


さて、一昨日、秋葉原による機会があったので、ジャンク屋で手ごろな放熱器(¥110也)を見かけて買ってきました。

これに、中華通販サイトとオークションで購入してあった100Ωの抵抗を載せてみました。

100Ω 30W x 7 
抵抗はシリコンゴムでシール
全体

シャックから見たSWR特性 (1~100MHz)
 終端抵抗700Ω

2MHzあたりのSWRの跳ね上がりは、トランスの癖かも知れません。

50MHzも良い感じで使えます。

50Wくらいまで耐えてくれると嬉しいのですが・・・

どんなアンテナでも無いよりは益しといいますが、意外に良く飛ぶ、使い勝手の良いアンテナになりました。

2024年8月22日木曜日

ARRLの身代金は百万弗

配信された8月21日付のニュース(ARRL Member Bulletin)、ちょっと驚きました。

5月に発生したARRLの障害は、噂というか既報のとおり、ランサムウェア攻撃が原因だったそうです。

Google翻訳で読むと、当初は法外な身代金要求だったものの、交渉のすえ百万ドルで手を打ったようです。

当該メールのGoogle翻訳(ぼかしてます)

アメリカと言えば、テロリストとは交渉しない云々、日頃威勢の良い話ばかり聞かされているような気がします。

が、ちゃっかり値切り交渉はしつつも、大枚を払っているのですね。

この手の犯罪が無くならない訳です。

何だか、ガッカリしました。

いっぽう、こうやって会員に報告する(できる)組織は、素晴らしいとも思いました。

某RLも、斯く在って欲しいものです。

2024年8月20日火曜日

JG2XA 8006kHz 2024/08/18早朝の信号 ― カムチャッカ沖地震かも?

去年の暮れ、8006kHzのJG2XAのドップラーグラムに、流星痕とおもわれるパターンを見かけました。

お盆前後のペルセウス座でも見つからないかな?と思って、セットしてありました。

途中でN5Jにチョッカイを出したりして、途切れ途切れになってしまいましたが、一頻り見返していました。

で、気になったのが以下のプロットです。

8月18日の朝04:00から05:00にかけての1時間の6枚のキャプチャーですが、

4枚目、04:35:10~04:35:45あたりに20dBくらい強い反射があります。








参考にさせて頂いている、榛名山麓流星電波観測所さん

https://sco.sakura.ne.jp/

のプロットと見比べても、該当するような大きなエコーは見当たりませんでした。

残念ながら流星では無いようです。

5枚目の、04:43:00の反射もちょっと気になります。

不思議だな~と心に引っかかっていました。


で昨晩、ネットのニュースを眺めていたら、18日の朝、カムチャッカ半島沖でマグニチュード7.0の地震が発生していたようです。

USGS(アメリカ地質調査所)のリストにアクセスしてみました。

https://earthquake.usgs.gov/earthquakes/map/?currentFeatureId=us7000n7n8&extent=-72.39571,87.1875&extent=84.9901,360.70313&range=month&magnitude=significant&settings=true

発生時刻は現地の「2024-08-18 04:10:26 (UTC+09:00)」、JSTとおなじなのですね。

入感時刻の04:35:10とは、約15分の差がありますが、おかしくはないような気がします。

約25分の差ですね。寝惚けていたようです。

少し計算してみました。

カムチャッカ半島の震源と調布市の距離はグーグルマップでは約2500km。

仮に電離層、F層の高さを500kmとすると。

乱暴ですが、底辺2500km、高さ500kmの直角三角形をイメージすると、最短距離にあたる斜辺は2549.5≒2550kmとなります。

2011/3/11の観測では、衝撃波の速度は2.3–3.3 km/sだったそうです。

https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2011JA016761

2.3km/sだと18分28秒、3.3km/sでは12分52秒。

間を取って2.8km/sとすると、15分10秒となります。

かなりこじつけになりますが、タイミングとしてはおかしくないようです。

ただ、今までの経験は、言ってみれば「電離層が吹き飛ばされて」信号が消えたり乱れたりするパターンであり、今回のように急に強くなるというのは初めてです。

2.3km/sでも時間が空き過ぎるので、地震ではないようです。

いったい何でしょうね?

2024年8月19日月曜日

大地震発生直前に観察される電離層異常発生の物理メカニズム

「巨大地震注意」が空振り(素振りだと言ってるようですが・・・)に終わったのは何よりでした。

地震予知は科学的に不可能という説が有力な一方、地震発生の約1時間前に電離層が変化したという観測もあります。

「2016年2月の台湾南部地震直前の電離圏異常を発見 -電離圏データ解析が大地震の減災・防災に資する可能性-」

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2019-10-17


こちらは、変化があったのは事実だと思いますが、偶然の一致では?というのが正直な感想でした。

最近、AIに嗅ぎつけられたらしく、しつこくお薦めされたページにアクセスしたところ、タイトルの論文に行き当たりました。

「大地震発生直前に観察される電離層異常発生の物理メカニズムを発見 ―地殻破壊時に粘土質内の水が超臨界状態となることが鍵―」

https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2024-04/2404_Umeno_IJPEST-f92bc5953540f5a5ac64d5bf8ba35cde.pdf


ヨーロッパ(イタリア?)で、地中の電気抵抗を調べて予知するという研究が行われていたようですが、目の付け所は一致しているようです。

研究が進むと良いですね。