気になることがあり、彼方此方覗いていました。
で、たまたま行き当たったのがこの本です。
US CQ 1959年1月号
スキャンの状態が良くないのですが、拾い読みしてみると・・・
最近出版された(1959年時点です)、新開発のシリコントランジスタに関するパンフレットに、1920年代にニュージャージー州Montclair周辺の無線実験家による、バイアスをかけたシリコン結晶を用いた実験が紹介されていました。
当時の真空管(新聞配達給料の2か月分)よりもはるかに優れた結果が得られたそうです。
図を見ると、
fig. 2
シリコン(結晶?)をハンダに乗せて磨く
↓
ハンダに溝を切って分離
↓
ホルダーに装着
↓
ホルダーの両側にバイアスを加え
↓
蓄音機の針をシリコンに押し当てる
という手順のようです。
セットしたら、
バイアス電圧の調整や、押し当てる位置を変更して、感度の最良点を探ったようです。
ホルダー(真鍮)やハンダの材質も性能に影響したようです。
シリコンのほか、水晶などでもパイアスを加える実験が行われましたが、
このブーム?は、電話中継用の真空管がアマチュアにも手が届くようになり、再生検波器が普及した1924年頃に終わったそうです。
記事の最後は、
ベル研究所の社員がトランジスタを公式に発見する20年前の1923年頃、大勢のアマチュア無線家や実験家たちが、そうとは知らずに、トランジスタの原型を開発し、実用していたのでしょうか?
で結ばれていました。
改めて、Wikipediaを検索してみると、ベル研の発明の前に、1925年のユリウス・エドガー・リリエンフェルトによる、現在の電界効果トランジスタ (FET) に近い発明や、1934年のオスカー・ハイルによる特許を取得が有ったようです。
面白いものですね。


