2025年1月31日金曜日

Datong AD370 Active Dipole

Webのニュースを見ていたら、某オークションの広告が表示されました。

煩いな~と思ったのですが、AD370という商品名に思わず目を見張りました。

しばらく前からあちこち回路やレビューを検索していたのを、AIに見つけられてしまったようです。

―・・・―

このアンテナ、アクティブアンテナ界隈では伝説的なアンテナのようで、「AD370には負けるが・・・」的な感じで話題にあがります。

Active dipole AD370 (Refreshed)

https://www.fenu-radio.ch/Aktivdipol_AD370_Refreshed-en.htm

また、熱心なファンも多いようで、しっかりしたアーカイブもありました。

Datong Arichive

https://sites.google.com/site/datongarchive/Home

回路図なども掲載されているので、いつかトライしたいと思っていましたが、オークションに出てくるとは思ってもみませんでした。

自分へのお年玉のつもりで、少しだけ奮発して入札しておきました。

が、なんと競争もなく出品価格(柴三郎さん二人)での落札となりました。

ヘッドのみで、エレメントやバイアスTなど無かったので、猫またぎだったのかも知れませんね。

文字通りのお年玉でした。\(^o^)/

大事に使われていた(仕舞われていた?)ようで、外観はきれいです。

さっそく開腹してみました。

基板はきれいで、ネジもピカピカでした。

トランジスタには、粉状のものが着いていましたが、テスターで当ったところ、電圧はほぼ正常で、デバイスは生きているようです。

J310
ZTX327

エレメントを探しに、ホームセンターへ行ってみましたが、ステンレスの針金は軟質しかありませんでした。

1.5Mを2本切り出して繋いでみたら、フニャフニャでした。

ダンポールで添木しましたが、ここは自立?にして、高インピーダンスを得たいところです。

あっという間に暗くなってしまいました

KiwiSDR 2 (http://21344.proxy.kiwisdr.com:8073/) で聞いてますが、良い感じです。

アンプのノイズレベルが低いようで、一見、ゲインが小さいのかと心配しました。が、Kiwi 2には大きすぎるほどの入力(アンテナ出力)があり、飽和しているようです。

デフォルトで5dBのアッテネータを設定しました。

例の、時報局 BPC(68.5kHz)や12kHz前後のアルファ局も聞こえていました。

長中波帯は、先日の2SK2394 x2ミニホイップに少し負けますが、短波帯は勝るようです。

もうすこし、エレメントを工夫したいと思います。

2025年1月22日水曜日

ANTENTOP#025方式の広帯域RXアンテナ

ANTENTOPを眺めていたら、面白いアンテナを見つけました。

作者の"教授"氏によると、「アンテナ内の抵抗は、アンテナの入力に接続されている場合に有害であり、端や肩にある抵抗は、アンテナ内の進行波モードの確立に寄与します。」

との事。

何度か試した、T2FDやビバレッジなどの抵抗で終端するアンテナの経験からうなづけます。

長中波帯やローバンドは、ミニホイップやループアンテナでカバーできそうなので、14MHzアップの帯域用に試して見たいと思います。

先ずは、14MHz帯の1/2λダイポールをベースに、抵抗を挿入することをシミュレーションしてみました。

ベースとなるアンテナの、10~30MHz (21MHzを中心にして上下10MHz)の特性を見ます。

インピーダンス

 

SWR

ゲイン

同調している14MHz以外は、SWRが高すぎます。

アンテナ効率を云々する以前に、ノイズも拾いまくりそうです。

抵抗を挿入してみます。

何処に入れるか?が問題です。

始めに、原典に沿って1mおきに入れてみました。

スムーズですが、原典の200Ω給電ではSWRが落ちないようです。トランスを1:9の450Ωにしてみたのがこちらです。

外見

インピーダンス

SWR

ゲイン

バターン

良い感じですね!

ただ、細かく見ると2mあるいは1mの節毎に小さな不連続があるように感じます。

それならばという事で、28,21,18MHzの場合の端点に抵抗を入れてみました。

外見

インピーダンス

SWR

ゲイン

パターン

大きな変化はありませんが、問題も無いようです。

後々、別の形でトラップすることも想定して、2.5, 0.84, 0.56, 1.05mで区切ってみました。


抵抗を入れる方法ですが、文字通りピンからキリまで幾らでもありそうです。

まだ海の物とも山の物ともつかないので、いちばん手抜きで行くことにします。

ワイヤ間に100Ω 1/4Wのカーボン抵抗をハンダ付けしました。

が、ちょっと弱そうだし錆も出そうです。

そこで、接着剤を塗り付けて、生乾きのところに熱収縮チューブを被せてみました。

一晩経ったら、結構しっかり固まっていました。


給電は、まずはという事で、原典のトリファイラ巻1:4で行ってみます。

一昨日の午後に始めたので、できた時は真っ暗ですした。

殆んど陸屋根においたような状態でSWRを測ってみました。

記事中に「コンクリートの屋根の上に置くだけでいい」との記載がありますが、その通りですね。

進行波系のアンテナの特徴がよく顕われています。

昨日の午後、仮設中のHexBeamの下に括りつけてみました。

トランスはミネラルウォーターのPETボトルに押し込みました。

コイル巻線のショートや振動による断線の対策に、シリコンゴムでカバーしました。

が、乾く前に動かしたので汚くなりました。hi

RG58(3D2V相当)同軸ケーブル、約20mでシャックに引き込んでいます。

1月21日午後

SWRは、シミュレーションよりもかなり良い値です。

送信するつもりは無いので(今のところ)、これで様子を見ることにします。

2025年1月20日月曜日

ほうきアンテナ(Broom Antenna)

ミニホイップ系のアクティブアンテナは、旧ソ連や東欧圏でも良く使われていたようです。

ロシア語のフォーラムやメーリングリストをグーグル翻訳さんのお世話で拾い読みしていました。良い時代になりましたね!

で、Antentopというフリーの電子雑誌に行き着きました。

そこで見つけたのがこのページです。

Mystery of the Broom Antenna

http://www.antentop.org/009html/009_p31.htm

ブルームアンテナは、ソビエト連邦では昔から使われており、1935年の雑誌にも説明があるそうです。

以前思いついたヤマアラシ・プローブと似ていてうれしくなりました。

ヤマアラシ・プローブ

最後のほうに種明かしというか、理論的な考察があって、ストンと胸に落ちました。

また、続編のほうきを振り回したときに発生する電流からの考察にも興味を惹かれました。

Atmospheric Current: Practical Experiments: by V. T. Polaykov, RA3AAE, Ph. D in technical science

http://www.antentop.org/010/ra3aae_010.htm

それにしても面白いサイトです。

回路や構造等々、若いころから眺めてきたものとは違うものも多くて、ついつい見入ってしまいます。

しばらく寝不足が続きそうです。hi


2025年1月18日土曜日

真昼のBPC 68.5kHz ― 2SK2394 Mini Whip

1/19 少し補足しておきます。

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昨年の暮れにあるMLで、HF帯受信用のFETが話題になっていました。

なんでも、三洋がオリジナルの2SK2394はローノイズで素晴らしい!とか...

試食したいと思い、10個買ってみました。

https://www.onsemi.com/pdf/datasheet/2sk2394-d.pdf

送料込みで1,681円、@168円

中華通販サイトも、最近は高値傾向なので、偽物を心配するくらいなら、ちゃんとしたところから買う方が良いですね。

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購入先は、マルツエレック(株)さんです。

DigiKeyで扱っている部品を購入することができます。

https://www.marutsu.co.jp/categories_19/#digiKeyTop

今回の2SK2394の場合、DigiKeyから購入すると送料と関税が最低でも$16.52(今日のレートで2,582円)掛かりますが、マルツさんの場合はネコポス便を指定すれば、全国一律 350円(税別)で済みます。

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さっそく、こんな餅の絵を描いてみました。

LTSPICEのシミュレーション

1個でも大丈夫だと思いますが、安全を見てパラレルにしました。

各パーツはこんな配置です。

ARCADの実体図

例によって、PCBを削って...

左下のメガネコアは、約1MHzの直列共振回路です。

プローブ代わりの単線を通して、トラップできないかな~と思って入れてみました。

メガネコアは、年末に嵌っていたチョークです。

なかなか良い感じです。

この状態で、軒先に吊るして様子を見たのですが、バイアスTへの電源をつなぎ間違えて、24Vを放り込んでしまいました。

しばらく良い感じで見えていたのですが、あれよあれよという間に信号が消えて、ノイズだらけになってしまいました。

ガッカリして店じまい
翌日確認したら、タンタルコンデンサがショートして焼け落ちて、三端子レギュレータが盛大に発振していました。orz
幸い、レギュレータ以降は無事でした。
―・・・―
気を取り直して再開です。
プローブは、たまたまスパイダービームのエレメントの切れ端が目についたので、ヤマアラシ型にしてみました。
一見、銅撚線に見えますが、銅メッキの鉄線なので強度があります。形も崩れません。

引き出しをゴソゴソやってらた、小ぶりのガス放電式アレスタが出てきたので、試しにくっ付けました。

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GDT(ガス入り放電管)と言うようです。

20年以上前に、日米電子か鈴商で買ったような気がします。

TDKのEPCOSブランドでした。

「サージ保護デバイスの使用方法:サージアレスタ」

https://product.tdk.com/ja/techlibrary/applicationnote/howto_arrester.html

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コーヒー飲料の空きボトルに押し込んで、前に作ったJ310のミニホイップの上に括りつけました。
上 2SK2394 x2、下 J310 x3
この状態で、2~3日受信(放置?)していました。
エージングも進んだかと思って、昨日の昼前に、8.006MHzのJG2XAを受信して、各アンテナのS/Nをみて見ました。

緑:信号、ピンク:ノイズ、白:差分

信号のプロット

第1位は、2SC1959 x2のスモール・ループでした。

第2位は、2SK2394 x2のミニホイップ。

ノイズレベルがスモールループよりも低いミニホイップは、初めてです。S/Nに関する性能は、評判どおりのようです。

右端のJ310をカスコード接続したミニホイップは、高域が良いので屋上に上げていましたが、2SK2394と交代ですね。

低い周波数は如何かな?と思い、40kHzのJJYに合わせてみました。

20kHzの対潜水艦通信などが良く入っています。少し眺めていると、70kHz辺りにも信号が見えます。

中国の時報局、BPCのようです。

https://www.seikowatches.com/instructions/html/SEIKO_1B25_1B35_JP/CWVVSYxxhbpilh

さっそく受信して見ると、すんなりデコードできました。

BPC by 2SK2394 x2

他のアンテナでも試して見ました。

このアンテナの後にふと思いついて作った、2N7002をLEDでバイアスしたミニホイップです。

2N7002 x1、LEDバイアス
2つ目はデコードしましたが、後ろは同期が外れました。
もう少しブラッシュアップする必要があります。
残念ながら、他のアンテナは解読できませんでした。
J310 x3、かすかに聞こえた

2SC3357スモールループ、入感なし

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以下は、現在の構成と公開SDRのアドレスです。
非公開部分のチャンネルでは、各バンドのWSPRを受信しています。
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Rx:KiwiSDR 1, Ant:Mini Whip (2SK2394 x2)

Rx:KiwiSDR 2, Ant:Mini Whip (J310 x3)

Rx:Web-888, Ant:Mini Whip (2N5458 + 2SC3355)

それにしても、こんなアンテナで真っ昼間に、中国中央部からの長波信号を受信できるとは思いませんでした。
面白いものですね。

2025年1月2日木曜日

温故知新 --- 59, ham radio

新年おめでとうございます。

登録させていただいている「日本ローバンド拡大促進協会」のメーリングリストに、JA1ELY 草野OMからの配信がありました。

その中に、59誌のWEB公開が記事別という形でまとまった由のご案内がありました。

早速アクセスしてみたところ、創刊第2号(1985年06月号)の記事でずいぶん前に他界されたJA7AO, JA7AGO両OMの対談記事を拝見して、何十年かタイムスリップしてしまいました。


http://fivenine.com/memorial/picture.php?/681/category/album_1985_06

年末にたまたま買った、お神酒の「高清水」が一段と美味しく感じられました。

草野さん、ありがとうございました。

―・・・―

別件ですが、年末に「ham radio」のアーカイブを見つけました。

https://www.worldradiohistory.com/Archive-DX/Ham%20Radio/

以前よりも充実しているようです。

毎月号を見てゆくと、アメリカが全てを圧倒していた時代、日本メーカーの進出、デジタル化の進展・・

また、技術系の雑誌ならではの回路の流行りや廃り、CQ誌に掲載された抄録記事の原典等々・・・

時代はすっかり変わってしまい、もうこんな雑誌が発行されることは無いでしょうね。

紅白も、除夜の鐘も忘れて見入ってしまいました。

正月早々、寝不足です。hi hi 

本年もよろしくお願いいたします。



2024年12月21日土曜日

BN73-2402の便秘?

アクティブアンテナ用の4ポートのバイアスT、突っつき始めるといろいろ気になります。

カギになる部品のひとつ、広帯域RFCに嵌ってしまい、ゴールまでたどり着けません。

昨日も、コイルを巻いたりほどいたりしていました。

使っているのはAmidonで、BN73-2402と呼んでるコアです。だいぶ前ですが、送料や割引率の関係もあって、ほかの何種類かと合わせて100個買っていました。

本物のはず

で、袋から摘み上げると・・・

こんなコアが出てきました。

製造工程は分かりませんが、穴から出掛かった状態で、焼結されたのでしょうか?

机に押し付けたくらいでは動きそうにありません。

試しに、ラジペンで挟んで廻して見たら・・・

スッポリ抜けました。

スッキリしました。hi

2024年11月23日土曜日

スモール・ループ・アンテナのアンプ検討

軽いぎっくり腰を起こしてしまいました。

 作りかけのHexBeam、屋上高2Mの仮設状態、文字通りの宙ぶらりんです。

 気分転換に、あるフォーラムの話題を切っ掛けに、受信用スモールループのアンプを作ってみました。

 つい面白くなって、このひと月ほど嵌ってました。


トランジスタ

 トランジスタは、以前に50MHzの実験に使った2SC4703の残りです。秋月電子通商で、UHF電力増幅用として販売されています。

 1GHzのNFは2.3dBで、ローノイズを謳うトランジスタには負けますが、HFには充分でしょう。

 全損失が1.8Wと大きめなのも良いですね。

 何より、3次相互変調歪が-81dB (Vce=10V)というのが魅力です。

 ただ、フォーラムでのアドバイスによると、Vce=5Vくらいで使うのが安全なようです。

 実は、もう少し小ぶりの2SC3357をリールで数百個持っているため、気軽に使っていましたが結構飛ばしていました。

 その原因の一つが、10Vで使っていた所為かも知れません。10Vの三端子レギュレータも死ぬまで使いきれないほど持っていて、深く考えずにセットで使っていたのです。

 そのあたりも確かめたいと思いました。


トランス

 キーデバイスの一つでもあるトランスは、トーキンのM-521CTコモンモードチョークを使います。

https://www.tokin.com/datasheets_distributor/pdf/TOK_LF0073_M-500CT.pdf

 このチョーク、実態はトロイダルコアにバイファイラ巻のトランスです。

 ふと思いついて、ケースの上面に穴をあけて、エナメル線を通して測ったところ・・・

Fig. 1

Fig. 2

 多少ばらつきはありますが、おおよそ約2uHでした。NFBにちょうど良さそうな感じです。

 数回は巻けそうなので、トリファイラは無理でも、入出力のリンクに使えるかもしれません。

 一寸まごついたのは、巻き方とマークの方向がバラバラでした。

 マークをそろえて並べて

Fig. 3

ひっくり返しました

Fig. 4

 穴をあけた上の二つ、左は下からコアに入り、右は上からコアに入っています。取り出していない三つ、左と中は上から、右だけ下から入っています。

 チョークとしては意味が無いのかも知れませんが、ちょっと意外でした。移相が重要なトランスとして使う場合は、要注意です。

 なお、各ポートのインダクタンスは、約185uHでした。

Fig. 5

Fig. 6

シミュレーション

 先ずは、LTSpiceでシミュレーションしてみました。机上の空論と言われそうですが、シミュレーションでダメだったにの上手く行ったためしはありません。

 転ばぬ先の杖にはなるでしょう。hi

 それと、此処を変えるとこうなるのか!と、調整のポイントを探ったり、振る舞いを予習するのは、とても役立ちます。この辺りは、MMANAでも痛感する、シミュレーターのメリットです。


ベース接地差動型+NFB

 フォーラムでは、定評のあるLZ1AQ方式を前提として情報が交わされていました。

 しかし、中華製のHFDYループを含めていくつか試して見ましたが、私の環境ではゲインが大きすぎるようで、うまくいきませんでした。

 後段は省略して、前段のベース接地の差動アンプにNFBを掛けてみたいと思います。


回路図

最終的にこんな形になりました。

Fig. 7

前後しますが、NFB用のL5,L8を0.002uHにして、裸の特性を見ました。

パラ止め用の、コレクタとエミッタの間に入れたC1とC2の10pFやビーズも外します。

Fig. 8
 300MHzで止めていますが、2GHzあたりまでこのまま延びていきます。hi

 それこそ絵に描いた餅ですが、これが2SC4703や2SC3357本来の実力なのでしょうね。


NFBは効くの?

 ところで、NFBって本当に効くのでしょうか。作用や効果を見ておきたいと思います。     

Fig. 9  NFBなし

 

Fig. 10 NFBあり

 ゲインだけ見ると、平らにはなりましたが、損をしたような気分です。

 歪が改善すると言われてますが、どうやって見たらよいのでしょうか?

 正式なやり方が分からないのですが、信号源を一つ追加して、波形をシミュレーションし、fftビューを表示してみました。

 入力は、1134kHzの文化放送と1242kHzのニッポン放送です。設定が悪いのか、なかなか歪まないので入力電圧を0.05Vまで上げてみました。

Fig. 11 NFBの効果

 ゲインは6dB下がりましたが、IM3は約40dB改善するようです。

 鰯の頭も何んとやら・・、ここは素直に信じる事にします。hi

発振止めとVHFカット

 トランジスタ自体の特性は、前で見たように恐ろしく高い周波数まで伸びています。

 うっかりすると、気が付かない周波数で発振してしまうことがあります。おまじないと、不要なVUHF帯のゲインを抑えるため、コレクタとエミッターの間に小さなコンデンサを入れました。

実体配線図

 この程度の部品数だと、シミュレーターをいじっている内に何となく並べ方がイメージできます。あとは部品同士が干渉しないように、実物大のパーツ(茶色)を並べてみます。

 溝(黒色)を掘ってパターンを区切り、要所に穴(赤)を空けて、裏面のベタアースと接続します。

 本当は表裏の2面でパターンを作れると良いのですが、位置合わせが難しくて、宿題のままです。

 最後に、周囲をカット(ピンク色)してお仕舞です。

Fig. 12 ARCADで配置を検討

CNCで切削

 Gコードの用意や生基板のセットする手間は同じなので、何枚かまとめてCNCで削ります。

Fig. 13

掃除

 本当は、削り・穴あけ・切断の作業ごとにそれ用の刃物を使うべきですが、この程度だとφ0.8mmのエンドミルだけでも間に合うようです。

 その代わり、バリ取りや削りカスの掃除、導通やショートのチェックは欠かせません。

Fig. 14

組立

 部品を探すのが手間ですが、ハンダ付け自体はあっという間です。

粗調整

 トランスは出来合いだし同調回路も無いため、調整個所はありませんが、導通チェックと(シミュレーターとの)電圧の照合は必須です。 

 ボリュームを使っていない場合は、抵抗を付け換えて所定の電圧・電流に合わせます。

Fig. 15 2SC4703 x2

Fig. 16 2SC3357 x2

Fig. 17
以前作った2N5109 x2の現在値

特性の確認(宿題)

 ゲインやIMDを確認したいのですが、まだ出来ていません。差動入力の基本が理解できていないので、うまく整合できないのです。

 出力側に30dBのアッテネータを入れた時の特性です。

Fig. 18

 ざっくり-3dBのゲイン(ロス?)になっています。

 ただ、シミュレーションでも信号源の"V1"に50ΩのSeries Resistanceを入れた時の出力は-2.7dBくらいなので、ほぼ合っているようです。

 このあたり、理屈を知らない門前小僧の悲しいところです。orz

動作確認

 しかし、あり合わせの電線で直径10センチくらいループを作ってつなぐと、中波放送はガツンと入ってきました。ループのヌルもしっかり出ていました。


標準用?ループアンテナ

 以前から、アンテナや受信機のAB比較用に使っているアルミ・フラットバー(2x30x2000mm)のループを一つ追加しました。

 台は、ホームセンターで見かけた"コンクリート羽子板付き束石"です。

 以前の二つは小ぶりな方でしたが、強風でひっくり返ることがあったので、今回は大きいほうにしました。

 両端の糊代(ボルト止め部分)はありますが、直径0.65mと称しています。hi

Fig. 19

Fig. 20

 高さや構造など、もう少し工夫できるだろ!と言われそうですが、このループはアンプや受信機の比較が目的なので、アンテナとしての性能には目をつぶって、大きさや形を揃えることにしました。

 ただし、屋上高は5~6Cm高くなってしまったので、誤差の範囲と言えるのか?ちょっと微妙な値です。

Fig. 21 北方向
Fig.22 西方向
Fig.23 
作りかけHexBeamとテスト用ループ

アンテナのSN比較

 Kiwi2で8006kHzのJG2XAを受信し、アンテナを繋ぎ変えながら、Spectrum LabのWatch List and Plotter画面で比較してみました。

Fig. 24

プロットの色は

light Blue: Frequency

light Green: Peak

      Pink: Noise

      White: Peak - Noise

です。

 白は、ピーク(うす緑)からノイズ(ピンク)を引いた、正味の信号の分です。

Fig. 25

 例えば、左から3つめの2SC3357は、2SC4703よりもピークが高いので大きく聞こえますが、ノイズも多いのでSNは少し劣ります。

 やはり定番の2N5109が光ります。が、ダイポールは別格ですね!

 ノイズレベルすれすれ信号では、かなり大きな差が付くことがあります。信号源の方向も影響しているような気がします。ループアンプのバランスの良し悪しが、ヌルのパターンに出ているのかも知れません。

 番外ですが、ついでなのでLF/MF用のミニホイップ(左端)も見てみました。

 ループやDPとは明らかに違っていて、5Hzほど下のスプリアスがピークになってました。 

 J310を3個使ったゲイン抑え気味のアンプですが、ノイズも少なく、なかなかの健闘です。 また、作りかけの3SK291を1個使ったアンプは、シャック内のノイズを拾いまくってますが、外から引き込んでいる同軸に近づけると良く入っていました。プローブや設置しだいでは、J310x3を超えるかも知れません。

 この3つのループとアンプ、3台のWebSDRに振り分けています。

Kiwi 1 + 2SC3357:

http://ja7kbr.proxy.kiwisdr.com:8073/

Kiwi 2 + 2SC4703:

http://21344.proxy.kiwisdr.com:8073/

Web888 + 2N5109:

http://ja7kbr.proxy.rx-888.com:8073/


昨日の夕方、7850kHzで見えていたカナダの時報局CHUの様子です。

Fig. 26

Fig. 27

Fig. 28
 アンプの性能だけでなく、SDR受信機の特性やバイアスTや電源の特性が加味されるので、単体とは少し雰囲気が変わります。

FT8の解読を比較してみると

 実際の受信状況は如何でしょうか?

 10.136MHzのFT8を受信して見ました。

Fig. 29

 多少の凸凹はありますが、概ねSN比較と同じ傾向でした。手法としては、大きな間違いは無さそうです。

 今のところ、それぞれのアンテナに給電しているBIAS-Tと電源が異なるので、そのあたりも気になります。

 午後にでも、競争条件を揃えるために、3ポートのBIAS-Tを作ってみたいと思います。