2025年6月11日水曜日

ARRL Int Digi 2025 - SNR分布

昨日、SNRの甘~い見積もりをしていました。

が、実際は如何だったのかな?と気になりました。

コンテスト中のALL.TXTを開いてみると、約19,000件の解読データが記録されていました。

明らかなゴミや偽デコードを除いた、SNRの分布をグラフにしてみました。

先ずは、FT8の全体です。

17,566件の解読があり、平均SNRは-7.6dBでした。

最少SNRは、

"250608_145200    14.090 Rx FT8    -27  0.6 2614 LY2SA JH7xxx RR73                     a7"

でした。(コールは伏せておきます)

また、仕様上のFT8のS/N Thresholdは-21dBとなっていますが、それ以下の解読の大半に"a"の印が付いているので、APデコーダーの効果と思われます。

-22dB以下の解読の三分の一くらいが100~300kM圏内の局でした。

スキップゾーンぎりぎりの信号は難しいですね。


また、私宛の送信を抽出してみると・・・

306件がヒットし、平均は-5.7dBでした。

やはり、強い局が多いですね。

-10dB以下の信号は、やはり相手の耳に助けて頂いたようです。

なお、FT4も少し覗いてみました。

179件で、平均は-4.3dBでした。

すべて14MHzですが、非コンテスト局の方が多かったような気がします。

2025年6月10日火曜日

ARRL Int Digi 2025

 先週末に開催されたARRL International Digital Contestに参加しました。

 一番の目的は、先日上げたHexBeamの試し撃ちです。

 KiwiSDRやWSPR受信機が動いているので、5WのQRPでエントリーしました。

 提出したログをSH5で処理してみると・・・

Dupesの36!?

 ALL Callsingsを見ると、グリッドをコールサインと誤認していました。

 "ARRL-DIGI"が定義されていないようです。

 ウクライナでの戦争が始まる前、6月第1週末は"DigiFest Contest"が開催されてたので、その辺りが関係しているのかも知れません。

 コールサインとグリッドの間に"599"を差し込んで、再開してみると・・・

Main

 正しく認識したようです 

 相手のRxx,RR73受信、こちらからのRxx,RR73送信による、自動ログインを有効にしていました。

 145QSOの内、RR73の再送などによる重複が3つ有ったようです。

 問題は、相手がログインしてくれなかったNILがどのくらいあるか?ですね。

 また、Operating timeが、わずか3時間17分となってますが、SH5のレストタイムが5分とか10分になっている所為でしょうね。ARRLの60分単位に従えば、10時間くらいになると思います。

 100局できると良いな~と思って参加したので、望外の結果となりました。

 弱い信号をコピーしていただいた各局に、ただただ感謝あるのみです。


Summary

 コンディションは良くなかったようです。

 28MHzのオープンには遭遇できませんでした。

 

One minute rates

 如何にもFT8的で面白いと思ったのが、1分当たりのQSO数です。

 ランニング主体だった所為もありますが、全て1QSO/1minでした。

 この辺り、「FT8のコンテストはつまらない!」という意見の、理由の一つかもしれません。


Top 10 countries

JAとWでほぼ半分

 コンディションの所為もありますが、飛ばないと言うよりは、見えないのが主因です。

 今のアンテナでは、もし100Wで参加してQSOはあまり増えなかったと思います。


Qs by band

きれいに3等分された感じです。hi

 意外に良かったのが7MHzです。

 HexBeamに追加した、Dipoleを使いました。文字通りの「曲がりなり」ですが、フルサイズが効いたようです。

 直結した場合、先日の確認どおり、7.090のSWRは3以上で、受信も良くありませんでした。

 これは駄目だと思って、HC-500Aで無理やり落としたところ、受信も良くなりました。

 3AM前に起きたところバンドが死んでいたので、空振りCQを出しながら、気になっていたKiwiSDRへの影響をみて見ました。

 基本波はガッチリ入ってますが、メーターは未だ少しだけ隙間があり、振り切れてはいませんでした。

 高調波は意外に少ない感じです。少なくとも、ダイオードによる高調波ではないと思います。

 正直なところ、思ったよりも影響が小さくて、一安心です。

 もっとも、フロントエンドの抑圧はひどく、送受のBPFを組み合わせるSO2R設定とは、雲泥の差があります。


Cintinents

 アフリカは1つも見えませんでした。

ヨーロッパも北米東海岸も遠かった!


ARRL IDCはQRP向け?

 今回のARRL Int Digiは、最大出力が100Wに制限されています。

 期待を込めて計算してみると、

 5Wと100Wの電力比20倍は、ざっくり13dBです。

 同じアンテナだと仮定すると、

 相手が100W局だとしたら、相手が-10dBで見えていれば -23dB (-10 + -13 = -23)で届く可能性があります。

 相手のアンテナが良かったり低出力だったりしたら、その分確率は上がります。

 もしこれが、相手がKW局だとさらに10dB厳しくなるので、-3~5dB辺りがトライの目安になります。

 そういう意味で、上限100WのコンテストはQRP参加にはありがたいコンテストと言えそうです。

 いずれにしても、今回は耳の悪さを改めて認識させられました。

 鰐さんではないので、「耳がQRP」は残念です。hi

 もう少し、アンテナを高く出来ないか、悩んでみます。

2025年6月3日火曜日

1N4007の順電圧

 明け方うつらうつらしていて、ふと思いました。

 1N4007の順電圧(Vf)、大きいのが秋月電子通商1N4007-Bの685mV、小さいのがSMDの659mVでした。

 これって受信機にとっては、どのくらいの大きさなのでしょうね?

 久しぶりにオームの法則を思い出して、電力に換算してみると・・・

 R=50Ω, E=0.685Vの場合、P=0.0093845W、ざっくり10mW (10dBm)と言った感じでしょうか。

 うっかりSGから放り込んでしまうこともあるレベルなので、大丈夫でしょう。

 でも、低すぎて歪みまくらないかな?

 ここまで来て、JA1VBN 花澤OMの有名なSメータに関する研究を思い出しました。

「S-unit Standard of the S-meter ? (SメータのSとはどんな規格か?)」

http://ja1vbn.la.coocan.jp/radio/etc/S-unit.html

 さっそくアクセスしてみると・・・

 表の一番上、Sユニット 9+60dBでも、受信機入力電圧 50mVとなっています。

 無理やり500mVの行を作ったら、9+80dBといった感じでしょうか? 受信機にとっては、とんでもない程の大信号なのですね。

 まかり間違って、送信機から保護器経由で送信したら、スプリアスだらけの電波になりそうです。が、受信時の混変調は取り越し苦労のようです。

と思うことにします。hi

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06/08 追記

電力の換算、間違えてました。

クリップが± 0.685Vなので、振幅は1.37Vですね。

R=50Ω, E=1.37V, P=0.0375W、SGなら16dBmのちょっと下あたりのレベルです。

まだ大丈夫かな?

でも、プリアンプの前に入れてしまったら、雷サージ対策にはなっても、SDRの保護にはならないかも知れないですね。

2025年6月2日月曜日

1N4007について

 このところSDR用保護回路で遊んでいます。

 クリッピング用のダイオードには、元記事に沿って1N4148を使っていました。 が、後ろに10~20pFのコンデンサを入れるなら整流用のダイオードでも良いのでは?と思いました。

 引き出しを引っ掻き回したら幾つか見つかりましたが、整理が悪いので品番がハッキリしません。

 1N4007は3種類あったので、テスターで当たってみました。

秋月電子通商の1N4007


リードが細めの1N4007



SMDの1N4007

同じ袋でも、結構ばらついていました。

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 さて、Webで1N4007を検索してみると、定番品種だけにいろいろな情報がヒットします。

 面白いと思ったのは、QSK用のPINダイオードとしての利用例です。

 1N4007は、P層とN層の間に絶縁用のI層を挟む構造になっており、PINダイオードとして使えるのだそうです。

 昔ハムジャーナル(1988年、#56)に載っていた、JA1DI(SK) 山口OMの記事を思い出しました。

 当時はAMTORが流行っていましたが、送受切り替え(チェンジオーバー)時間がネックで、南米とQSOするには15m秒がギリギリ、地球の真裏とのQSOには10m秒以下が必要と言われていました。

 そのため、市販トランシーバやアンプのQSK改造記事、QSKシステムの製作記事が関心を集めており、ネットやBBSでも盛んに情報が交わされていました。

 しかし、テキストのみでイメージが送れない(翻訳ソフトは未だSF)時代だったので、なかなか追いつけませんでした。

 山口OMの、10D10を使えば500Wに対応できる・・・との記事には驚かされました。

 そんなことを思い出しながらポチポチやっていたので、すっかり寝不足です。hi


幾つか忘れないようにメモしておきます

PIN diode T/R switch

https://www.funkamateur.de/tl_files/downloads/hefte/2017/w6jl_improved_qsk_system_mar_2016.pdf


PIN diode T/R switch

https://wa5bdu.blogspot.com/2017/03/pin-diode-tr-switch.html


The 1N4007 as PIN diode

https://www.qsl.net/in3otd/electronics/PIN_diodes/1N4007.html

2025年5月31日土曜日

メス?オス?性別不明のSMAコネクタ

便利に使っている基板エッジ取付のSMAコネクタ。

どうしてもケーブルが差さらない物がありました。

不良品かと思って外して見ると・・・・

外見はメスなのに

ピンが有ります!?

不良品にしても程があるだろ!と思いましたが、念のため確かめてみると・・・

ひと袋が同じ形でした。(本当の不良品は中華あるある)

良く確かめないで、間違えて買ってしまったようです。orz


それにしても、どんな必要があってこんな情けない姿形にされてしまったのでしょうか?

Googleさんにお伺いをたてると、このページがヒットました。

Why Does RPSMA Exist?

https://wcsng.ucsd.edu/docs/technical/trivia/rpsma/

どうやら、RP-SMA (Reverse Polarity SMA)と呼ばれる種類のようです。

FCCの規制のひとつに、「自社のデバイスが自社が提供するアンテナのみで動作することを保証する」ことを求めるものがあり、それの対策だったようで、「RP-SMAコネクタはWiFiアンテナで使用される傾向がある」のだとか。

業界標準になってしまったら意味ないじゃん!と思うのですが、いろいろご苦労があるのですね。

引き出しの肥やしが増えてしまいました。hi

2025年5月29日木曜日

SDRangelのSID観測機能

SDRangelによるKiwiSDRの受信ですが、あちこち弄っていたら面白い機能がありました。

しばらく前から、NWCなどVLF帯の信号を見ていますが、ズバリそれ用の機能がありました。

SID Feature Plugin

https://github.com/f4exb/sdrangel/blob/master/plugins/feature/sid/readme.md

SIDは、Sudden Ionospheric Disturbancesの頭文字で、日本語では突発性電離層擾乱と言っているようです。

当地で安定して受信できる VTX3(18.2kHz), NWC(19.8kHz), NPM(21.4kHz), JJI(22.2kHz), RAB(25kHz)を設定してみました。

早朝4時から午後4時までの約12時間です。

4時半頃にストンと落ちているのは、日の出の影響のようです。

スタート時は0.1秒間隔でアベレージングしていました。

振れ幅が大きく被ってしまうようなので15秒にしましたが、少し粗いような気もするので1秒にしてみました。

複数の信号レベルをブロットするのは、SpectrumLabでもできますが、

GOES衛星のフラックス測定値や太陽フレアの画像を見比べれるのは良いですね。

各信号のデータは10分毎に自動保存されているので、後で必要な区間を呼び出してプロットすることもできるようです。

とても良く出来ています。

2025/05/28 18:53 - 2025/05/29 22:26 (UTC)


2025年5月25日日曜日

SDRangelでKiwiSDRを聞く

 JG2XA(5006kHz, 8006kHz)やAFN(1575kHz)を受信して、ドップラーグラムを見ています。

 GPSに同期した正確な周波数が売り物のKiwiSDRは、この目的にピッタリですが、問題は受信用ソフトです。「専用ソフトが不要で、ブラウザーだけで受信できる」というのもKiwiSDRの売り物のなのですが、この用途には使い難いと感じていました。

 芸が無いのですが、安直に別々のサウンドデバイスを割り当てたFireFoxを三つ立ち上げていました


 さて、ひょんな事から、SDRangelがKiwiSDRに対応していることを知りました。

https://github.com/f4exb/sdrangel/wiki

 さっそくダウンロードして試して見たところ、確かに、あっさりと接続できました。

 しかし、この後が続きませんでした。

 あらかじめプリセットされている機能はうまく動くのですが、単純なSSBの復調ができません。

 マニュアルを見ると、SSBDmodulatorをインストールすれば良いようですが、どこにあるのか分からないのです。

 WebやYoutubeのチュートリアルを見ても、最初の一歩が分かりません。

 ユーザーにとっては、基本中の基本で、説明する必要がないのかも知れません。

 手当たり次第にボタンを押したり、メニューを開いたりするのですが、チンプンカンプンです。

 延べ半日あまりポチポチやっていて、やっと見つけました。

このボタンでした!

 分かってしまえば何と云うことも無いのですが、最初のクリックでは、興味のない[ADS-B Demodulator]が出てくるためスルーしていましたが、スピンボタンをクリックすると、面白そうな復調機能がてんこ盛りでした。

 ツールチップの「Add channels」からすると、ちょっとアレ?な感じもしますが、郷に入っては郷に従えですね。hi

 最終的に、三つのWorkspaceに各周波数とサウンドデバイスを割り当てて、それぞれのドップラーグラムを併行して描けるようになりました。

 実際の受信画面はこんな感じです。

 中央の縦線は、28MHzのFT8でLUの局をコールした際の影響です。

 スプリアスと言うよりは、KiwiSDRが飽和したためのノイズですね。保護回路を入れたので、気軽に送信(たった10Wですが)できるようになりました。

 忘れるといけないので、備忘録代わりにアップして置きます。hi