2021年12月4日土曜日

LF/MFの受信

 この半月ほどLF・MFの受信にハマっています。

発端は、10月末にスゥエーデンの長波局SAQが17.2kHzで試験送信するというニュースでした。

「SAQ Grimeton UN-Day Transmission on October 24th, 2021」

https://alexander.n.se/en/saq-grimeton-un-day-transmission-on-october-24th-2021/

残念ながらSAQには間に合わなかったのですが、

意外に良く聞こえる(見える?)シールドループの拡大版を作ってみようか?と思いつきました。

直径は大1.8m、小0.8m

構造は、長さ6メートルの2.5D2Vの真ん中で、メガネ型に重ねたコアに3回巻きつけ、両端の芯線とシールドを互い違いに接続した、いわゆるメビウスループです。

給電(カップリング)は、同じく2.5D2Vをコアの反対側から3回巻き、外皮を剥いてシールドに芯線を接続してします。

3t:3t

両方とも同じ構造ですが、小さい方のループは同軸が5D2Vでコアの通過は1回だけです。

(1回しか通せなかった)

両アンテナの出力をTinySAで見るとこんな感じです。


緑:小、紫:大

レベルの差だけでなく、拾っている信号の強弱(得手不得手?)がかなり違います。

全周6mは、HF帯ではもはや「スモール・ループ」の特性(利点)は失われているようです。

また、VHF帯の信号が想像以上のレベル入っています。

スカイツリーまで直線で約6KM

さて、SparkSDRで受信していたところ、11月中旬、474.2kHzのWSPRでたまたまVK4YBがデコードできました。


他のJA局に比べて、かなりS/Nが悪くまぐれ当たりのようです。

どうやら、BCやVHFの信号でフロントエンドが飽和している。あるいは、AGCが掛かってVLFやMFは抑圧されているようです。

という訳で、BC帯から上をカットするためのLPF(ローバスフィルター)を作ることにしました。

シミュレーションの回路と特性

コイルには、手持ちの33uHのチョークを使い、解いたり足したりして調整しました。

残念ながらスパッとは切れなくて、474kHzでは6dB近いロスがありました。

そもそもが同軸のループでレベルが低いため、無視できないロスです。

少し増幅したいと思います。

当初、DCから数ギガまで使えるMMICでトライしましたが、なかなか上手く行きません。

過大入力に弱いようで、簡単に飛んでしまうのです。

あるいは高い周波数で発振しているのかも知れません。

で、少し頭を冷やすと、スペクトラムの下端、オーディオに近い周波数でGHz帯用のICを使うのも勿体ない話です。

ここは、オーディオ用の低雑音型トランジスタが適役かも知れません。

という訳で、トロイダルコア活用百科をあたってみると、良さそうな回路がありました。

ぼやかしてます

LTSPICEでシミュレーションしてみると・・・


MF以下には、頭にチョークを入れるとさらに良さそうです。

PCBの切れっ端を削り、こんなものを作ってみました。


トランジスタは2SC2712GR

MiniVNAでみると・・・

10kHz-3MHz

30dBのATTが入っているので、136kHzが29dB、474kHzが25dBくらいのゲインになります。

数日前から、この状態でHermes Lite 2につないで、136と474を毎晩モニターしています。

ソフトは、当初はSparkSDRをつかいましたが、仔細に見ると妙なQRHがあるのに気が付きました。

そこで、Power SDRに切り替えて、RX1(136kHz)をVAC1、RX2(474kHz)をVAC2に流し、WSJT-Xを受信していました。


10個(インスタンス)のWSJT-Xを起動

切っ掛けになったVK4YBの、今月に入ってからの釣果です。

-・・・-

野暮用やら何やらが続き、高いところの宿題が片付きません。hi


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