2020年8月5日水曜日

160m用 マグネチック・ループ・アンテナもどき - 連戦連敗

この数日、空いた時間はこればかりやってました。

発端-ハイQコアの発見
そもそもの始まりは、50MHz用コモンモードフィルターのコア探しでした。
手持ちのコアに電線の切れ端を巻いて、インダクタンスや高インピーダンスでの減衰を比べていました。
そのうち、今回は50MHzシングルバンドなので、同軸の外被に流れる電流を阻止するなら、並列共振回路のチョークにすれば良いのでは?と思いつきました。
この部分です

このような高いQが必要な共振回路用には、T-xx系の鉄粉コアが適しており、FT-xx系のフェライトコアは不向きという先入観がありました。
が、ものは試しと云うことで、FT-240-61にコンデンサを抱かせてみると、コアを間違えたかな?と思うくらい深いディップが得られました。
特に低い周波数では、サイズが近いT-200 #2と同じか勝るくらいでした。

その時は、50MHz用が目的だったので T-68-10を使って終わりにしました。が、ずーっと頭に引っ掛かっていました。


ローディングコイルに使えないかな?
50MHzのアンテナは曲がりなりにも上がったので、次はローバンドです。
特に、今度のシーズンは160Mが気になります。
集合住宅で上げられるようなコンパクトなアンテナとなると、ローディングコイルが肝になります。
ふと「この間のコアが使えないかな?」とヒラメキました。


同軸トラップ≒マグネチックループ?
先日、チョークを弄っていた際、W3DZZ等に使われる同軸トラップ思い出しました。
で、コイルにしないで「ワンターンにしたら、そのまんま、マグネチックループになるんじゃ?」などと妄想していたのです。

HELIAX同軸の共振周波数は?
何かに使えると思って取ってあった、ANDREWのLDF4-50Aという同軸の切れ端があったのを思い出しました。
長さは、約4.5Mほどです。
LCと自己共振周波数を測ると、0.9uH、340pF、約9MHzでした。100pFくらい足せば7MHzで使えそうです。
が、1.84MHzを目指すにはもう8000pF以上不足します。
大容量で高周波特性の良いコンデンサは難物です。
じゃ、ローディングコイルは如何だろう?と云う訳で、
ざっと計算して、気になっていたFT-240-61に、1.6mmのIV線を11回巻いて挿入してみました。
カップリングはFT-240-43のワンターンです。



こんなのを、ビギナーズラックと云うのでしょうね。


1.828にストンと同調しました。
馬鹿はすぐに舞い上がります「なんだ、簡単じゃん!」

ところが、送信するとトランシーバの保護回路が働きます。
おかしいと思ってSWRを見ると、上限に張り付いています。
折からの夕立でショートしたのでしょうか?
翌日に持ち越しました。


コアの問題?
翌日、改めて送信すると・・・
やはりSWR計の針は上限に張り付きます。

やはりコアの所為かと思い、触ってみると・・・
ローディングのFT-240-61はヒンヤリですが、カップリングのFT-240-43はかなり熱くなっていました。
「これが犯人か?」と云う事で、カップリングもFT-240-61に変えてみました。
が、VNAでもSWRが分からなくなりました。
160M用のトランスとしては使えないようです。

ワンターンのリンクに変更

コイルのピッチでは追い込めなかったので、1.840MHzを目標に同軸を切り詰めました。


お手軽なコアのカップリングは諦めて、雑誌やWebで見かけるワンターンのループを作って近づけてみました。

いろいろ変形しているうちに、こんな形に




やはり駄目
VNAのSWRは下がりました。

が、やはり実際に送信するとダメダメでした。

カップリングやリンクの問題では無いようです。
送信するとSWRが跳ね上がった例を思い出すと、
接触不良や絶縁不良(炭化)による放電などがありました。
せいぜい5ワット程度だったので、放電は考えにくいのですが、少しずつ出力を上げてみることにしました。

耐電力10mW?
Omniaミリワットメータを持ち出しました。
動作の下限は80mなのですが、この際そんなことは言ってられません。

ゆっくりと出力を上げて行くと・・・
6mWはまだOK

10mWを超えると跳ね上がり

30mWで終了

10mW(ミリワット)を超えたあたりから、SWRが跳ね上がります。
「オイオイ、耐電力10ミリワットかよ?」とため息が出ました。


FT-240-61は虚弱体質
ここまでくると、コアが原因としか思えません。
どうやらHiQとパワーは両立できないようです。

TX → コア(11t 約21uH) → コンデンサ(330pF) → ダミー
という経路を作ります。


出力を上げると、やはり同調がずれてSWRが跳ね上がりました。


コアに3tを巻き込んだインダクタンスは・・・

非送信時
非送信時 L=1.018uH Q=10.59

20mW送信時
20mW送信時 L=588nH Q=0.95

インダクタンスとQは、ほぼ無くなってしまうようです。
残念ながらローディングコイルとしては、全く使えないようです。

せめてHiQを活かして、ローバンド用のプリセレクターに使えないかな?と思っていたのですが、至近で送信すると5W近く逆流するので、それも難しそうです。
ガッカリして片付ける気力も・・・・

受信用は及第?
それでも諦めきれずに、160mのWSPRやFT8をワッチしてみました。

WSPRの受信例

比較するサンプルが少ないのですが、ご近所さん並みに見えたようです。


FT8の受信例
MagLA --> IC7100 --> WSJT-X & JTDX


今朝のA71EM、少し早めに見えてきたようです。

シャックの軒先から突き出しただけにしては、意外に見えているようです。
特にノイズが少ないのはFBです。
廻すと、しっかりヌル(減衰)が分かります。

受信専用なら生きる道があるかも知れません。
と自分を慰めています orz

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